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認知症の人を介護する家族支援としての認知症カフェの意義 [認知症ケア]

認知症の人を介護する家族支援としての認知症カフェの意義
 介護老人保健施設健寿荘:増井玲子、佐藤友美、吉田留美、中西敏子、川野京子、帆秋孝幸
【増井玲子、佐藤友美、吉田留美 他:認知症の人を介護する家族支援としての認知症カフェの意義. 認知症ケア事例ジャーナル Vol.8 No.3 209-217 2015】

抄録
 われわれは、レビー小体型認知症の女性A氏と主介護着である夫が認知症カフェを利用することで、本人と家族の心境や生活が変化したことを経験した。A氏の夫は介護中心の生活で社会との接点が少なくなり介護に行き詰っていたが、認知症カフェでの他者交流や活動の経験から、こころの負担を軽くし、妻の潜在能力に気づき、自分自身の新しい人生を再構築することができた。この経過から、認知症の人を介護する家族支援における認知症カフェの意義を考察する。

1. はじめに

2. 倫理的配慮

3. 認知症カフェYの紹介

4. 事例紹介

5. 経過

6. 考察
 (中略)
 夫は、認知症カフェの場で認知症ケアの方法や利用できるサービスなどのさまざまな情報を得ることができ、なによりも気軽に相談ができるようになった。これらの結果は、認知症の人と家族の会が調査した「認知症カフェのあり方と運営に関する調査研究事業報告書」で示された「認知症カフェの要素7つと認知症カフェの10の特徴」におおむね包含されている効果と考える。一方、A氏の夫の変化には、これまで示されていない新しい側面があった。そこで、A氏夫妻の利用の経過から、家族支援としての認知症カフェの意義を以下の3点にまとめた。
 ①家族が認知症の人本人の潜在能力に気づく場
 A氏が包丁を足元に落としたことをきっかけに、炊事をはじめとする家事はすべて夫が担うようになっていた。少しずつセルフケアにも介助が必要となり、入浴、排泄の介助などすべてを夫が1人で行っていた。その結果、さまざまな工夫はしながらも「なにもさせない」と語った過度の密着した介護状態になっていたことが推測された。認知症カフェでの活動時、夫はA氏がトランプや料理をスタッフやほかの利用者と笑いながら行うようすを少し離れて見守った。ゲームの理解や場を楽しむこと、包丁を使えたということだけでなく、自分がしたいことをはっきりと意思表示することも含めた潜在能力への気づきがあった。このように、本人の活動のようすを家族が実際にみて理解できるということは、認知症カフェの大きな特徴といえる。
 (中略)
 ②気軽に通え、家族自身のこころの負担を軽くできる場
 認知症カフェ利用開始当初のA氏の夫は、本当はたいへんな介護状況にあるのではないかと思われていたものの、ぐちを吐露することもなかった。松本のいう「過剰適応の介護」「孤立した介護」(松本一生:家族と学ぶ認知症;介護者と支援者のためのガイドブック. pp61-63, 金剛出版, 東京, 2006)であったと考えられた。しかし同性(男性)の介護者が認知症カフェに参加するようになったことで、それまでこころに秘めていた介護の苦悩を語ることができた。それをほかの家族と共有したことで、A氏の夫の肩の力が抜けた印象があった。また、ほかの家族が配偶者に対して大きな声を出した場面で「もっと優しくしないと」と声をかけることができたことは、介護する側・される倒を客観視することにつながった。A氏の夫自身、「Dさんに言いながら、自分に言っているんだ」と言っている。
 (中略)
 ゆとりをなくした介護は、燃え尽き症候群、介護うつ、虐待の危険をはらんでいる。それらが、認知症カフェで語ることや他者のケアのあり様をみることで防止可能であると思われた。松本(松本一生:家族と学ぶ認知症;介護者と支援者のためのガイドブック. pp61-63, 金剛出版, 東京, 2006)は、高齢者は一般に、①身体の衰えとともに起こる喪失感、②友人や家族をなくすことによる喪失感、③社会的な役割を失うことによる喪失感におそわれ影響を受けると述べている。認知症の人の介護者は、A氏の夫のようにある朝起きたときに「あなたは知っている人だけどだれ?」と言われたというようなポーリン・ボス(ポーリン・ボス[訳・和田秀樹、森村里美]:認知症の人を愛するということ;曖昧な喪失と悲しみに立ち向かうために. pp8-14, 誠信書房, 東京, 2014)のいう「さよなら」のない別れ、別れのない「さよなら」という“あいまいな喪失”にも苦しんでいる。そういったなかで、同じような立場の人と語り合うことや傾聴する専門職に語ることで少しでもこころの整理ができるのではないかと考える。
 ③介護する家族自身が人生を再構築できる場
 A氏の夫は、認知症カフェ来店時は必ずほかの利用者の名前をよび、声をかけていた。車いすを押す介助をするなど、ほかの利用客のために手を貸すことが多くあった。さらに、C氏の夫に対しては、話を開き、介護の工夫を伝えていた。これらの行動は、“妻を支える”という役割から、社会のなかで人を助けるという新しい役割となったと考える。
 (中略)
 A氏の夫は、認知症カフェヘの参加をきっかけに、「同じように認知症の介護で困っているほかの人に情報を伝えたい」という新しい社会的役割を見いだした。これは、認知症カフェでの人との出会いや活動によって得られた結果である。介護家族にとって、閉塞的な介護中心の生活だけでなく、社会とつながることがいかに重要かを示唆しているといえる。このように、介護家族が社会参加をして変容していく姿がほかの認知症カフェでも示されている(牧野史子:ケアラー支えるために. 老年精神医学会誌 Vol.25 No.9 975-983 2014)。

7. まとめ

〈謝辞〉

【文献】
 1)から14)
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北欧では寝たきりや胃瘻患者が少ないって本当? その理由は? [終末期医療]

北欧では寝たきりや胃瘻患者が少ないって本当? その理由は?【QOLを重視した人生観や医療費削減の方針などのため】
(冒頭省略)
 2007年に,スウェーデン(ストックホルム)の高齢者介護施設を見学しました。日本のように人工栄養で延命され,寝たきりになっている高齢者はいません。案内してくれた老年科医師は,「スウェーデンでも高齢者が食べられなくなると点滴や経管栄養を行っていましたが,ここ20年のうちに行わなくなりました。今は,点滴や経管栄養を行わず,自然な看取りをします。私の父もそうして亡くなりましたが,亡くなる数日前まで話すことができて,穏やかな最期でした」と話しました。
点滴もしないことに驚くと,「ベッドの上で,点滴で生きている人生なんて,何の意味があるのですか」と,逆に質問されました1)2)。スウェーデンで終末期高齢者に濃厚医療を行わない最も大きな理由は,このようなQOLを重視した人生観が形成されているためだと思います。また,終末期高齢者に人工栄養を行うのは,非倫理的(老人虐待)という考えもあります。宗教との関係について同医師は,「昔は人工栄養をしていたことから,宗教は関係ないはずです」と言っていました。
 2番目の理由は,高齢で食べられなくなった人に人工栄養を行うことは医学的に勧められていないためです。今から15年前のThe New England Journal of Medicineのレビュー3)に,進行した認知症患者には経管栄養を勧めないとあります。米国静脈経腸栄養学会や欧州臨床栄養代謝学会も,認知症の高齢者に胃瘻は適応されないとしています。日本で経管栄養を行い,寝たきりになっている高齢者の多くは認知症です4)。
 3番目の理由として,高齢者ケア関連予算の削減があります。スウェーデンでは,高齢化と金融危機により社会保険財政が逼迫(ひっぱく)し,1992年に医療・保健福祉改革(エーデル改革)が行われました。約540の長期療養病院が介護施設に変わり,入所者はそこで看取られるようになりました。(以下省略)
 (宮本礼子、宮本顕二:北欧では寝たきりや胃瘻患者が少ないって本当? その理由は?【QOLを重視した人生観や医療費削減の方針などのため. 日本医事新報・質疑応答-法律・雑件 No.4785 60-61 2016)

1)宮本顕二、宮本礼子:欧米に寝たきり老人はいない─自分で決める人生最後の医療. 中央公論新社, 2015.
1)有本 香:未来のミカタ:欧米に寝たきり老人はいない(日本文化チャンネル桜). [https://www.youtube.com/watch?v=CY9KIEX_bOM&feature=youtu.be

「何のため」、「誰のため」の治療か [認知症]

FAST.jpg認知症のひとの生き方に寄り添う支援 ─地域ネットワーク構築と多職種連携による実践─
「何のため」、「誰のため」の治療か
 胃ろうなどの医療技術の進歩が“天寿”よりも“長寿”を追求するなか、意思決定が困難となった高度認知症患者さんにおいては、最期は家族の意思が反映されることが多い。認知症の治療は「何のため」、「誰のため」に行われるのか?
 近年、抗認知症薬が多数発売され、認知症治療は大きな進歩を遂げている。しかし、その一方で、治療開始1年後の抗認知症薬の服薬継続率は半数に満たないとの報告1)がある。理由の多くが「よくならないから」であり、治療の意義を説明されていないことが推察される。治療により進行を遅らせることによって得られる時間の意義を考える必要がある。認知症は進行に伴い、現実見当識が低下し、思いを伝えることができなくなる。ここが“がん”との大きな違いである。認知症では“がん”以上に時間がなく、進行した後も本人の望む生活が送れるように、早期診断・治療のもと、得られた限られた時間のなかでひととなりや思いを把握することが求められる。
 すなわち、単に症状の進行を先延ばしにするだけの治療ではなく、避けられない病気の進行や寿命と向き合い、最期まで本人らしい生き方に寄り添うための治療や支援が求められる。

私の感想:
 「最期まで本人らしい生き方に寄り添うための治療や支援が求められる。」とは言いましても、病状の進行とともにご本人の意欲が低下(アパシー)してきますので趣味などに取り組んでもらおうと思ってもなかなか・・。その辺りが認知症ケアの難しい部分でもあります。

 治療に関しては、エムスリーの認知症フォーラム「認知症薬の効果に疑問」におきまして私見を述べております(2016.1.29)ので参考にして下さい。
 https://medqa.m3.com/doctor/showForumMessageDetail356671.do

タイトル:
 17% vs 13% & 著効例は3%程度

本文:
 ドネペジル(商品名:アリセプト[レジスタードトレードマーク])の有効率に関して、添付文書(http://www.eisai.jp/medical/products/…/PI/PDF/ART-D_T_PI.pdf)を読んで今一度、抗認知症治療薬の有効性について復習しましょう。
 =「最終全般臨床症状評価において5mg群はプラセボ群と比較して有意に優れていた。『改善』以上の割合は5mg群17%、プラセボ群13%、『軽度悪化』以下の割合は5mg群17%、プラセボ群43%であった。」

 奈良市においては、かかりつけ医300人を対象としてアンケート調査が実施されており(渡邉浩文:認知症の地域ケアにおけるケアと医療の連携に関する研究. 平成23年度 認知症介護研究・研修東京センター研究事業 報告書, 2012)、65人(21.7%)から回答が得られております。
 「認知症の治療上の問題点はどのようなことがあると考えているかについて尋ねた結果では、52.8%のかかりつけ医が『薬の効果がはっきりしない』と答えています。
 【本間 昭:認知症の人のために専門医ができること. 老年精神医学雑誌 第24巻増刊号-Ⅰ 133-138 2013】

 「アメリカにおけるdonepezil23mg徐放製剤試験では、10mg群に対して23mg群でSIBに明らかな優越性が認められ、重篤な有害事象では両群の間に有意差はないという結果であった。この結果からは、23mgが最大限の治療効果を発揮するとは言えないまでも、少なくとも10mgよりは治療効果として優れていると言える。」(一部改変)
 「高度ADに適応が拡大されて以後、本邦において行われたdonepezil特定使用成績調査(本間 昭:高度のアルツハイマー型認知症に対するドネペジル塩酸塩10mg/日投与の安全性および有効性. Geriatr Med Vol.51 439-467 2013)では、10mg投与開始後24カ月時の全般改善度において、有効に不変を加えた56.5%で維持効果が認められ、高度AD患者の半数以上で2年間の進行抑制効果がみられた。調査前の罹病期間が長いほど有効率は低下する傾向がみられたが、10年以上の罹病者でも11.8%に改善効果がみられたことは注目に値する。
 前述のように、高度ADに対する抗認知症薬の有効性は実証済みであるが、臨床の現場では治療効果が実感できない症例にしばしば遭遇する。明らかな治療効果が実感できなくても、副作用の問題がなければ、donepezilの投与を2年間は試みる価値がある。経過中、適宜memantineの併用を考慮する。2年間経過しても明らかな改善や抑制効果が得られず、2~4週間程度の休薬により明らかな増悪がなければ、抗認知症薬投与の有効性は低いと考えられ、投与の中止を検討してよいものと考える。」
【由井寿美江、萩原朋美、天野直二:アルツハイマー型認知症の重症例に対する症状改善薬の使用法について. 精神科治療学 Vol.28 1551-1555 2013】

 私がかつて、ドネペジルの発売当初に調べました著効率(=「著効」の定義は、服薬開始後3か月の時点でHDS-RないしはMMSEが4点以上の改善しており、家族の印象としも「改善」を実感できている事例)は3%でした。
 療養病床などに入院しドネペジルが投薬中止になることはしばしばありますね。この場合、中断により悪化する率(=再開を余儀なくされる割合)も3%に近い数字かな・・と感じております。

私の持論:
 アルツハイマー病は、進行性疾患であり「治療」が果たす役割は極めて限定的です。ケアが最も重要なのです。
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「胃ろうはすべて悪である」と思うな [胃ろう]

「胃ろうはすべて悪である」と思うな.jpg 私が連載しておりました朝日新聞社の医療ブログ「アピタル」で紹介されました記事です。
 2013年5月5日の記事です。

胃ろう再考─過剰な拒否反応に困惑も [胃ろう]

胃ろう再考-過剰な拒否反応に困惑も.jpg 胃ろう問題の真髄に、読売新聞・医療ルネサンス(2014年1月15日付医療ルネサンス=第5735号)が切り込みました。


記事本文

 「胃ろうが適するのに本人や家族が拒み、鼻から管を入れたり、点滴をしたりして、長期に栄養補給するケースが増えた。本末転倒ですよ」
 三重県津市にある榊原白鳳病院の医師、笠間睦さん(55)は、そう訴える。
 70歳代の女性は、膠原病で食道が硬くなり、のみこめなくなった。胸の中心静脈(鎖骨の下)に点滴をつけたまま転院してきた。
 笠間さんは胃ろうを勧めた。中心静脈栄養を続けるとチューブから感染しやすい。免疫細胞の多い腸の働きも悪くなるからだ。腸から栄養を吸収する胃ろうなら、感染は起きにくい。
 だが、女性は「胃に穴を開けてまで生きたくない」と拒否。感染した細菌が全身の血液に回る敗血症を起こし、昨年7月に死亡した。
 脳梗塞で入院中の前田さん(93)は昨年5月に肺炎を起こし、口から食べられなくなった。家族が胃ろうをためらい、鼻から胃へ管を通したが、不快感が強く、自分で抜かないよう両手にミトンをはめられた。隣の患者が胃ろうをつけながら訓練を受け、食べているのを見て「自分も」と胃ろうを造った。のどを通る管がなくなり、のみこみのリハビリが受けやすくなったことで、おかゆが食べられるようになった
 認知症専門医でもある笠間さんは「本当に死期が迫った終末期や、アルツハイマー病の進行で反応がない場合は慎重に考えるべきだが、胃ろうすべてを否定的に見るのは、患者にとって不利益だ」と指摘する。
 胃ろうの造設は近年、急減している。近畿大教授の汐見幹夫さんは、胃ろう造設(PEG)を行う関西の主な医療機関にアンケートした。回答した43施設の2012年の造設件数は736件で、前年より11%減った。胃ろうが適切と考えられるのに本人や家族の意向で実施しなかった例も、31施設が「ある」と答えた。
 市場調査会社アールアンドディ(名古屋市)の全国集計でも、毎年数%増加してきた胃ろう造設用キットの出荷総数は12年、前年より14%減少した。
 背景として大きいのは日本老年医学会の動き。12年1月に出した終末期医療に関する立場表明の中で「治療の差し控えや撤退も選択肢」とした。「それと前後して胃ろうが延命治療の代表格のように取り上げられ、終末期以外の胃ろうにまでマイナスの印象をもたらした」と笠間さんはみる。
 <過剰な拒否反応>に困惑する声は、各地の医療機関から出ている。

患者を生きる─事前指示書 [終末期医療]

患者を生きるー命のともしび.jpg 2011年1月18日~1月22日、朝日新聞社の「患者を生きる」(第1483~1487回)にて紹介されました、私の父が書いた「事前指示書」が家族の心境にどのような影響を及ぼしたかを綴った5回シリーズです。
 参考になりましたら幸いです。

診療明細書理解へ パンフレット配布 [医療情報公開]

診療明細書理解へパンフレット配布.jpg
 2010年3月10日付の中日新聞です。

 明細書の読み解き方は下記をご参照下さいね。

診療明細書.JPG

アスパラクラブ & アピタル [医療情報公開]

アスパラ・アピタル.jpg

 2010年9月28日~2012年9月19日まで、朝日新聞社・アスパラクラブに延べ530回にわたり寄稿しました(「ひょっとして認知症?─Part1」)。
 2012年12月4日~2015年3月29日まで、朝日新聞社・アピタルに延べ807回にわたり寄稿しました(「ひょっとして認知症?─Part2」)。

臨床医からみたジェネリック医薬品─認知症治療 [ジェネリック医薬品]

臨床医からみたジェネリック医薬品.jpg臨床医からみたジェネリック医薬品─認知症治療
               榊原白鳳病院 診療情報部長  笠間 睦

はじめに
 筆者は医療情報を患者に分かりやすく伝えるということをライフワークの一つとして取り組んできた。全国初の病院外来カルテ開示を始動した際には、医学用語の理解度調査も併せて実施した1)。
 診療報酬明細書請求を電子化している医療機関では、2010年4月1日以降医療費の明細書発行が義務化されている。義務化に先立ち筆者は、明細書発行が有意義な試みとなるためには、発行された明細書の内容を患者が読み解けるようにする必要があると考えた。そこで、明細書の内容が分かるような説明書作成に取り組み、2010年2月19日より、全国に先立ち外来診療における「明細書」の解説パンフレットを外来会計窓口に設置した2)。この試みの様子は、2010年3月10日付中日新聞・「つなごう医療」において紹介されている3)。
 筆者の専門領域である認知症診療においては、介護者ケアといった視点に立って多くの取り組みを実施してきた。
 日本では、アルツハイマー型認知症が5~10年ほどの経過で死に至る疾患であることがきちんと認識されていない。終末期には、自発語なし、表情なし、四肢の随意運動なし、尿便失禁の状態となり失外套症候群に近い状態となる。こうなると嚥下が困難になり、随意的に食べるのではなく、口の中にとろみをつけた食物塊が入ると反射的に嚥下が起こって飲み込む状態となり、いずれはそれも困難になるので、経管栄養(胃瘻を含む)や中心静脈栄養を行わなければ死に至る。スウェーデンでは、このような失外套症候群に近い段階になったら、姿勢、食物の形態など経口摂取のために最大限の努力をするが、飲み込めなくなったら末梢からの点滴による補液のみで看取ることが多い4)。
 榊原白鳳病院は、一般病床と療養病床を有するケアミックスの病院である。一般病床での治療を終えて状態が落ち着くと療養病床に転棟する。終末期に陥った際の延命治療に関する意向を一般病床入院時と療養病床転棟時で比較してみると、約半数において意向の変化が確認された。経管栄養を実施中にも関わらず、「経管栄養を希望しない」と回答したケースが複数あった5)。必要な状態の間際になってから胃瘻を造設するかどうかで悩むのが日本の医療現場の現状である。そういった状況を打開するためには、アルツハイマー型認知症の自然経過についてきちんと丁寧に説明し、家族で話し合う機会を事前に持てるようにする必要があるのではないだろうか6)。
 2010年9月28日からは朝日新聞社の医療ブログ「ひょっとして認知症?」7)を通して、認知症に関する諸情報をわかりやすく提供することに情熱を注いできた。
 さて、2011年3月にガランタミン(商品名:レミニールR)が発売されるまでは日本で唯一の アルツハイマー型認知症治療薬であったドネペジル塩酸塩(商品名:アリセプトR)の後発医薬品(ジェネリック医薬品)が2011年11月末に発売となった。
 先発医薬品と後発医薬品の薬価差について示し、自己負担が軽減されることを説明すると、次にほぼ例外なく質問されるのが「効果の違い」に関する質問である。
 この質問に対して、筆者は何と回答すべきなのであろうか? 医療情報を患者に分かりやすく伝えるということをライフワークとして取り組んできた筆者にとっては非常に悩んだ問題であった。
 政府広報オンラインのサイトには、「現在、製造販売されているジェネリック医薬品は、国の厳格な審査を受け、先発医薬品と効き目や安全性が同等であると承認されたものです。また、医薬品は、薬事法によりさまざまな規制が定められています。ジェネリック医薬品も、先発医薬品と同じ薬事法の品質基準に基づいて製造されていますので、先発医薬品と同じように安心して使うことができます」と明記されている8)。
 この情報を、医師がそのまま患者に伝えたら、おそらくほとんどの患者がジェネリック医薬品(GE)への変更を希望するであろうと思われる。実際に、医療費の高い米国では、後発医薬品へのシフトが明確に進んでいる。
 一方、医師がGEの品質に関して、かつての安かろう悪かろうの「ゾロ品」イメージを根強く持っていることも報告されている。「後発医薬品への変更不可」欄に署名した医師の理由を調査した報告によると、診療所に勤務する医師の51.6%、病院に勤務する医師の37.0%が「後発医薬品の品質が不安だから」と回答している9)。
 今回は、筆者が榊原白鳳病院・物忘れ外来において実施したドネペジル塩酸塩のGEに関する説明と、その説明によってどの程度の患者がGEへの変更を希望したのかを紹介し認知症治療におけるGEの課題を考えてみたい。

生物学的同等性試験
 筆者が患者にドネペジル塩酸塩のGEに関する情報提供をする際にまず取り組んだ課題は、筆者自身がGEに関する理解を深めることであった。
 医薬品の原薬特性、製剤特性が、おのおの規格基準内に入っていれば、医薬品の品質としては同等であり、また、原薬特性の同等性に関しては、主薬の含量には幅(十分に臨床上の効果・安全性を同等に確保できる幅)を設定しており、その幅の中での量の多少を議論しても臨床的にはまったく意味がないことが指摘されている10)。
 GEと先発品が同じ血中濃度推移を示すかどうかを確かめる生物学的同等性試験は、1971年より動物で行われていた。しかしながら1980年以降は、ヒト試験に変更されている。また同じ時期、それまで義務づけられていなかった長期・過酷条件下の保存を行う安定性試験もGEに義務づけられた。さらに1997年からは、溶出試験といって試験液中での製剤からの薬物の溶け出す速度や量が同じかどうかを確かめる試験もGEの承認申請で義務づけられており9)、最大血中濃度(Cmax)と血中濃度曲線下面積(AUC)の平均値が先発医薬品の80%~125%の範囲にあることを判定基準とする方法(90%信頼区間法)が採用されている。
 さて、生物学的同等性試験とは、GEが先発医薬品と同等の臨床効果を示すことを担保するために、両者間でヒトに投与した場合の血中濃度推移を比較する試験である。同等性の判定基準に関しては、国立医薬品食品衛生研究所薬品部の四方田薬品部第一室長が以下にように解説している。
 GEの製造販売承認に当たって、必要とされる資料は、製剤の品質規格、安定性試験(加速試験)、生物学的同等性に関する資料であり、新薬の申請時に較べて、毒性試験や、臨床試験成績の資料などは必要とされない。これは、有効成分が同じであれば、基本的な薬理作用や、有効性、毒性には差がないということを前提としているためである。他方、GEでは、有効成分の量は同じであっても、製剤化に必要な医薬品添加剤の種類や量などを定める処方設計や製剤の製造方法などはそれぞれの後発品で異なるため、医薬品製剤の作用が同等であることを評価するためのデータを要求するという考えに基づいている。
 生物学的同等性試験の試験結果を解析するために、最大血中濃度(Cmax)と血中濃度曲線下面積(AUC)を比較する。この両者に統計的な差が認められなければ効果も同じで、GEは先発品と同等であると判断される。同等性の判定は、GEと先発品のそれぞれについて、AUCとCmaxを対数値としてから平均値を計算し、その差の90%信頼区間(個々の測定値のばらつきを考慮したときに、差の値が90%の確率で含まれると推定される範囲)が、log(0.80)~log(1.25)の範囲にあるとき同等とすることによる11)。
 ところで、上記の文面を正しく理解できる医師はいったいどの程度いるのであろうか。多くの医師に質問してみると、その差の90%信頼区間(個々の測定値のばらつきを考慮したときに、差の値が90%の確率で含まれると推定される範囲)が、log(0.80)~log(1.25)の範囲にあるとき同等とするという記載部分が特に難解だと打ち明ける医師が多かった。
 このような状況を知ってか知らずか緒方は、GEの選択においては、医薬品としての品質の評価、医療スタッフ・患者が求めている製剤特性の把握が重要であり、これらの視点に基づく判断は主に薬剤師の職能の1つであり、医師に求めることは酷であると指摘している10)。
 以上述べてきたように、端的に言えば、GEは先発医薬品と生物学的に同等と評価されているのである。
 一方で、GEと先発医薬品の違いについて言及した報告もある。
 アボットライブラリーのLIBRA(調剤薬局薬剤師向け情報誌)には、以下のような記載がある。
 米国では「後発品と先発品は必ずしも同等ではない」との認識に基づき、米国食品医薬品局(FDA)は「承認医薬品と治療同等性評価(通称:オレンジブック)」で後発品のランク付けを行っている。後発品における溶出試験は明らかな非同等性を排除するものであって、同等であることを証明するものではない。米国でも先発品と後発品の生物学的同等性の差として、基準では約±20%であるが実際は平均約3.5%といわれている。しかし、日本では実際のところ、どの程度の差があるか不明である。±20%の許容域は随分大きいですよ12)。
 さらに筆者は、これらの知識を元に、日本医事新報の質疑応答コーナーを活用し、GEに関する疑問点の解消を試みた。
 基礎的な部分においては、先発医薬品よりも後発医薬品の方が最大血中濃度が高まる場合がありうるのか?という疑問点について確認した。
 筆者の質問に対して国立医薬品食品衛生研究所薬品部の四方田薬品部第一室長は、22人の先発製剤と後発製剤の最大血中濃度(Cmax)の比較例を呈示し、後発製剤のほうが先発製剤よりも血中濃度が大きくなる場合もあることを示した13)。
 またlogを用いた表記ではなく、何%程度同じなのかを分かりやすい百分率などの指標で公開しようといった試みがなされているのかどうかについても確認した。しかし、残念なことに、現在どの医薬品においてもそのような試みはなされていないことがわかった14)。

患者に対する情報提供とその結果
 筆者は、2011年12月24日より2012年1月21日までの期間において、アルツハイマー型認知症で通院中のドネペジル塩酸塩(アリセプトR)服用患者に対して、アリセプトRのジェネリック医薬品が発売されたことを伝え、切り替えを希望するかどうかを確認した。
 なお実際の切り替えに関しては、認知症の治療に限っては微妙な効果の差を許容できない患者および家族の心情に配慮し、患者・家族の自主的な判断に委ねた。
 ドネペジル塩酸塩(アリセプトR)服用中の17名に対して、先発医薬品と後発医薬品のどちらを希望するかを尋ねたところ、2名が「先発医薬品を希望」と即答し、同じく2名が「後発医薬品を希望」と即答した。また、2名が「先生にお任せします」と回答し、残り11名は即答を控えて、「効果は同じなのですか?」と筆者に質問した。
 「お任せします」と回答された2名と即答を避けた11名に対しては、「同等の臨床効果を有することは、生物学的同等性試験において確認済みです。ただ何%同じなのかと聞かれると、私にも明確な数字は回答できません」と説明を追加した。
 その結果、「先生にお任せします」と回答された2名の方は、先発医薬品の継続を希望した。即答を控えた11名中10名が先発医薬品の継続を希望し、1名が後発医薬品への変更を希望した。筆者が効果の微妙な違いについて明確に返事できないことに対して不安を感じたのか、後発医薬品への変更を躊躇される方がほとんどであった。
 最終的には、17名中14名(82%)がドネペジル塩酸塩に関しては、先発医薬品による治療の継続を希望したという結果となった。ただしこの結果は、僻地に立地する病院の物忘れ外来に時間をかけて通院する熱心な患者・家族が今回の調査の対象として多いというやや特殊な条件下での調査であり、また、医師主導ではなく患者および家族の自主的な判断を最優先して決めた結果としての数字であるという調査の背景を念頭に置いて82%という数字を評価する必要があると思われる。

おわりに
 今回報告したように、医師がジェネリック医薬品(GE)の品質に多少なりとも不安を抱いている場合、GEへの切り替えは思うように進まない。
 草津病院の栗原薬局課長は、統合失調症でもうつ病でも、医師が効くと確証して薬剤を処方すると効くが、不安を抱いて薬剤を処方すると驚くくらい効かないという談話を紹介し、精神科薬物療法は、その薬剤が本来もつ薬理効果とプラセボ効果を合算したものとして成り立っていると指摘している15)。
 アリセプトRの添付文書には、最終全般臨床症状評価において5mg群はプラセボ群と比較して有意に優れており、「改善」以上の割合は5mg群17%、プラセボ群13%、「軽度悪化」以下の割合は5mg群17%、プラセボ群43%であったことが記載されている16)。
 奈良市においてかかりつけ医300人を対象として実施されたアンケート調査では、認知症の治療上の問題点として、実に52.8%のかかりつけ医が「薬の効果がはっきりしない」と回答している17)。この結果を真摯に受けとめれば、かかりつけ医に対して認知症診療に積極的な関与を求めるのは酷であるのかも知れない。かかりつけ医が認知症治療薬の効果を実感できるようにアドバイスしていくことも、認知症専門医に課せられた責務であると考えている。
 筆者は、GEの生物学的同等性試験の結果が医師にとって分かりやすい形で情報提供されることが不可欠であると考えている。それによりGEに対する医師の信頼と理解が深まり、GEへの切り替えが促進されるのではないかと考えている。


文献
1)笠間 睦:外来カルテ開示に対する反響. 日本医事新報 1997;No3912:73-77.
2)外来診療における「明細書」の解説パンフレット(http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/pamphlet.pdf
3)中日新聞「つなごう医療」2010年3月10日(http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20100310142018071
4)山口晴保, 箕岡真子:欧米のアルツハイマー病患者への対応. 日本医事新報 2006;No4281:94-95.
5)笠間 睦:事前指示書と終末期医療─療養病床転棟時における終末期意向の変化調査. 日本医事新報 2011;No4530:107-110.
6)笠間 睦:認知症介護者に対する終末期の意向調査. 日本医事新報 2011;No4566:26-29.
7)apital「ひょっとして認知症?」(http://apital.asahi.com/article/kasama/index.html
8)政府公報オンライン「ジェネリック医薬品の効果や安全性は?」(http://www.gov-online.go.jp/featured/201106_01/contents/koka.html
9)武藤正樹:医師が抱える不安材料とその解決に向けての方策. 薬局 2011;62:54-57.
10)緒方宏泰:薬剤師の「GEの使用促進へ向けたゲートキーパーの役割」に関する考察. 薬局 2011;62:23-26.
11)四方田千佳子:なぜヒトの臨床試験は必要ないの? 薬局 2011;62:62.
12)LIBRA43号特別号(http://www.abbott.co.jp/medical/library/LIBRA/LIBRA43.pdf
13)四方田千佳子:ジェネリック医薬品の生物学的同等性試験の結果解釈. 日本医事新報 2012;No4594:76-77.
14)中村 祐:ドネペジルと後発医薬品の臨床効果. 日本医事新報 2012;No4595:58-59.
15)栗原正亮:調剤薬変更がコンプライアンスへ及ぼす影響を考慮する─精神科領域を例に. 薬局 2011;62:100-103.
16)アリセプトR添付文書(http://www.eisai.jp/medical/products/di/PI/PDF/ART-D_T_PI.pdf
17)本間 昭:認知症の人のために専門医ができること. 老年精医誌 2013;24(Suppl 1):133-138.

認知症とうつ病の鑑別 運転免許証に係る認知症の診断の届出ガイドライン [認知症]

「メンタルクリニックにおける医師と患者」 「認知症外来における医師対患者」

 実は、認知症と非常に鑑別が難しい疾患として「うつ病」が挙げられております。
 アルツハイマー病でしたら進行性疾患ですので、経過をみていけば確実に両者の鑑別はつきます。しかし、若年認知症で血管性認知症(主として脳梗塞が原因となる)の場合には、認知症なのかうつ病なのか鑑別診断において苦慮するケースがしばしばあります。
 メンタルクリニックの治療成績の向上には、医師と患者との人間関係の構築が重要な鍵を握ると私は考えております。しかし、認知症外来におきましてはその医師&患者関係において時に患者さんを“突き放す”ような説明をしなければならない場面が出てきます。運転免許証返納に関わる問題の時ですね。
 認知症の代表的な疾患であるアルツハイマー病の患者さんは、初期を過ぎてきますと病識がなくなってきます。自分では大丈夫と思っている方が医師から、「認知症と判断されますので運転は不可となります」といった説明を受けますと、自覚がないご本人にとっては“なんで俺が! なんで私が!”という気持ちになって医師から突き放されたような気持ちになってしまうのです。
 今週もそのようなケースの方が週の後半に来院される予定です。本人に病識がなく車の運転を続けているそうです。
 車の運転中止に関しては「わが国における運転免許証に係る認知症等の診断の届出ガイドライン」に沿って検討すれば良いわけです。しかし、問題はそこに留まりません。本人が運転できなくなっても、これまでのように生活が継続できるよう支援体制を構築することがご家族&社会には求められるのです。その構築が不可であるのならば、「免許を失うのを恐れ、かかりつけ医に認知症と診断しないよう懇願するようなケースもある(【参考になる資料─6】)参照」という問題が生じてしまい、場合によっては医療機関に受診することを拒むような事例も出てくるのです。

【参考になる資料─1】
2013.2.12公開「ひょっとして認知症?」
《51》その他の認知症 仮性認知症
 認知症に似た状態を示すものの、可逆性であるものが仮性認知症です。仮性認知症の多くは、うつ病が原因です。うつ病において抑うつ気分が目立たずに思考制止が前面に現れると、患者さんは頭の働きが悪くなったと感じ物忘れを訴えます。仮性認知症では、アルツハイマー病と違い、物忘れを強く訴え悩むことが多いです。

 アルツハイマー病の初期には脳萎縮が確認されないことも多く、アルツハイマー病によるアパシー(自発性の低下・無関心)なのかうつ病なのか、脳の断層撮影(CT・MRI)だけでは判断しかねることがあります。
 うつ病性仮性認知症においては、見当識が保たれ、抗うつ薬に反応するなどの所見から、アルツハイマー病と鑑別されます。
 また、脳血流検査の1つであるSPECT(スペクト)検査により、両者を鑑別できる場合もあります。
 アルツハイマー病では、帯状回後部や楔前部などといった脳の後方領域が最初に血流低下を起こしてきます(重症化に伴って前頭葉にも血流低下が拡がります)。一方うつ病の場合にも、病相期においては、前頭葉などで血流低下が認められることがあります。アルツハイマー病とうつ病では、血流が低下する領域が異なりますので、診断に際して参考所見となります。
 なお、うつ病においては、症状が改善してくると、脳血流の低下部位が目立たなくなってくることも知られています。

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 NIRS検査は、精神科において2009年4月に「光トポグラフィー検査を用いたうつ症状の鑑別診断補助」として先進医療に承認され、2012年12月時点で全国19施設において実施されています(野田隆政:光トポグラフィによるうつ病診断. 医学のあゆみ Vol.244 425-431 2013)。

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 「うつ」と「アパシー」と「認知症」の違いが分かりやすくまとめられている文献がありますのでご紹介しましょう(小黒浩明、山口修平:うつ・アパシーと認知障害の診分け方. Modern Physician Vol.33 73-77 2013)。
 文献の表1を抜粋して以下にご紹介します。
 http://akasama.blog.so-net.ne.jp/2016-01-24

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 「うつ病の診断では、抑うつ気分や意欲・気力の低下に加え、物事に対する興味・関心を失い何をやっても楽しめないという症状、自責感・罪責感の存在が重要である。また、このようなうつ症状は、朝方ないしは午前中の状態が最も悪く、午後になると少しは軽くなるという状態の変動(日内変動)が存在することも少なくない。
 ところで、非専門医は、無気力(アパシー)、自発性・発動性の低下をうつ病の指標として重視する傾向にある。たとえば、低活動型せん妄をうつ病と見誤ることが多い。参考までに、低活動型せん妄の症状をあげれば、①注意力低下、②清明度の低下、③発語の減少ないしは遅滞、④傾眠、⑤動作緩慢、⑥凝視、⑦アパシーなどである。うつ病の診断では、外見上の動きの少なさよりも内的な心情(停滞と苦悩)への着目が大切である。
 さらにうつ病には、前述した精神症状に加えて、多彩な身体症状、自律神経症状を伴う。身体症状のなかでは、不眠・食欲不振(時に過眠、過食)、易疲労性、全身倦怠感、頭重感などがその頻度から重要である。うつ病における身体症状は、非特異的な症状ではあるが、診断的な意義は高く、身体的な愁訴が続くが、それに見合う客観的な所見が伴わない場合、うつ病を疑うべきとされる理由である。」(白川 治:うつ状態. 日本医師会雑誌・生涯教育シリーズ85 神経・精神疾患診療マニュアル Vol.142・特別号(2) S117-119 2013)

 「低活動型せん妄ではうつ病との鑑別が問題となるが、うつ病では基本的に記憶・見当識障害はみられないことに注目する。脳波検査にて、せん妄では基礎律動徐波化があるのに対し、うつ病では脳波は正常である。」(安野史彦:せん妄. 日本医師会雑誌・生涯教育シリーズ85 神経・精神疾患診療マニュアル Vol.142・特別号(2) S122-123 2013)

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 脳萎縮を認めることはうつ病を除外診断する根拠とはなりませんのでその点には留意が必要です。以下にそのことについて言及している論文をご紹介します。
 「非老年期の大うつ病性障害の患者では、健常者と比較して大脳基底核、視床、海馬、前頭葉、眼窩前頭葉、直回で有意な体積の減少がみられたというメタ解析の結果が報告されている(Kempton MJ, Salvador Z, Munafo MR et al:Structural neuroimaging studies in major depressive disorder; Meta-analysis and comparison with bipolar disorder. Arch Gen Psychiatry Vol.68 675-690 2011)。とくに海馬の萎縮については、うつ病では視床下部─下垂体─副腎系(HPA axis)の機能異常により、コルチゾールが慢性的に過剰分泌され、その神経毒性の結果、体積が減少するものと推測されている。
 老年期のうつ病においても、前部帯状回・前頭前皮質・線条体・海馬など、前頭葉・辺緑系・皮質下の部位での体積減少が報告されている。(一部改変)」(高野晴成、三村 將、須原哲也:老年期うつ病の画像診断. 老年精神医学雑誌 Vol.24 1171-1178 2013)

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 「また、自発性の低下や意欲の減退などから、うつ病と混同されやすいのが、いわゆるアパシーである。両者の鑑別を困難にしているのは、共通してみられる症状として、活動性の低下、活気のなさ、精神運動の緩慢さ、易疲労感、興味の喪失などがあり、まさしくうつ病の精神運動制止にみられる症状と重なるためである。しかしながら、うつ病では、抑うつ・不快感、絶望感、自責感、希死念慮などといった感情面の症状が認められるのに対して、アパシーでは、周囲への無関心・無頓着を示し、活動性の低下を苦しまない様子が特徴的である。即ち、高齢者のうつ病とアパシーの鑑別としては、自発性の低下と感情の平板化の有無、そして本人の精神的苦痛の有無が挙げられる。アパシーは認知症など脳器質性疾患に伴う神経精神症状の1つであり、器質性か非器質性かを考える上でもアパシーとうつ病との鑑別は重要である。

経過・予後
 最近は、うつ病と認知症との関連が注目されている。両者の関係を考える際に、まず鍵になるのは仮性認知症の概念である。以前から、認知機能障害が前景に立ち抑うつ症状が目立たない高齢者のうつ病は「仮性認知症(pseudo dementia)」と呼ばれ注目されてきた。従来、仮性認知症は抑うつ症状の改善後は認知機能も元通りに回復すると考えられてきたが、近年の縦断研究により、その一部は認知機能の低下が再発したり、あるいはそのまま認知症に移行したりするということが報告されるようになった。仮性認知症を呈した症例の追跡調査によれば、1年で3%、2年で12%、3年で57%、8年で89%と、経過が長くなるに従って認知症へ移行する割合が高くなることが報告されている(新井平伊、馬場 元:うつ病か? 認知症か? 臨床精神薬理 Vol.12 2240-2243 2009)。最近では、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)や認知症を引き起こす神経病理的状態が抑うつ症状をも引き起こし、高齢者のうつ病-MCI-認知症は臨床的には連続体であるとする意見もみられる。
 一方で、これまでもとくにアルツハイマー型認知症(AD)では繰り返し検討されてきた課題ではあるが、初期のADに抑うつが高頻度に共存することが知られており、うつ病がADの独立したリスクファクターなのか、あるいは前駆状態なのかを検討することは困難であった。しかし、最近のメタ解析によると、うつ病と診断されてからAD発症までの期間は、AD発症のリスクと正の相関があり、うつ病はADの前兆ではなく、うつ病の既往が後のADの発症に影響することが明らかになった(Ownby RL, Crocco E, Acevedo A et al:Depression and risk for Alzheimer disease; Systematic review, meta-analysis, and metaregression analysis. Arch Gen Psychiatry Vol.63 530-538 2006)。25年以上前のうつ病の既往でも、AD発症のリスクが1.71倍になるとする報告もある。」(西 良知、藤瀬 昇、池田 学:高齢者のうつ病. 臨牀と研究 Vol.91 639-642 2014)

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 2014年5月30日に開催されました第3回Mie AD Symposiumに、朝田隆教授(筑波大学臨床医学系精神医学)、羽生春夫教授(東京医科大学病院老年病科)が講師として来られました。
 その際に私は、朝田隆教授に以下の質問を致しました。
 「25年以上前のうつ病の既往でも、AD発症のリスクが1.71倍(Green RC, Cupples LA, Kurz A et al:Depression as a risk factor for Alzheimer disease. The MIRAGE study. Arch Neurol Vol.60 753-759 2003)になるとする報告もある」(西 良知、藤瀬 昇、池田 学:高齢者のうつ病. 臨牀と研究 Vol.91 639-642 2014)ことが指摘されております。
 しかしながら、この「1.71倍」という数字と新井教授の報告(仮性認知症を呈した症例の追跡調査によれば、1年で3%、2年で12%、3年で57%、8年で89%と、経過が長くなるに従って認知症へ移行する割合が高くなることが報告されている=新井平伊、馬場 元:うつ病か? 認知症か? 臨床精神薬理 Vol.12 2240-2243 2009)にはあまりにも大きな乖離があります。
 ということは、「うつ病」と「仮性認知症」の神経基盤には相当大きな違いがあるはずです。その点に関して朝田教授はどのような見解をお持ちでしょうか?

朝田隆教授回答:
 先生の指摘のように、脆弱な神経基盤がありますと認知症に移行しやすいのではないかと思われます。
 具体的には、既に報告されておりますように、「前部帯状回・前頭前皮質・線条体・海馬など(高野晴成、三村 將、須原哲也:老年期うつ病の画像診断. 老年精神医学雑誌 Vol.24 1171-1178 2013)」の脆弱性が認知症発症に関与しているのかも知れませんね。

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 2014年5月30日に開催されました第3回Mie AD Symposiumに、朝田隆教授(筑波大学臨床医学系精神医学)が講師として来津されました。

 朝田隆教授はご講演の中で、「アルツハイマー病患者さんの精神症状で多く認められるのは実は、アパシーではありません。 不安 > アパシー > 抑うつ の順です。」と指摘されました。

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 認知症臨床における第一人者のひとりである八千代病院(愛知県安城市)神経内科部長の川畑信也医師は、もの忘れ外来における問診票から見た「物忘れ(記憶障害)」、「自発性の低下・意欲の減退」、「易怒性、妄想、幻覚」それぞれの出現頻度を、健常者とアルツハイマー型認知症(AD)で比較しており、「家で何もしない , じ~っとしていることが多くなった」という症状は、健常者(n=168)では23.8%であったが、アルツハイマー型認知症患者(n=718)においては59.6%であり有意差があったと報告しております。
 なお、「これらの症状の一部は、健常者とアルツハイマー型認知症で出現頻度に有意差がみられており、アルツハイマー型認知症でより認められやすいものであることが分かりますが絶対的な鑑別の切り札にはなりません。」と指摘されております。

【参考になる資料─2】
◎平成26年6月1日改正道路交通法施行
 http://www.pref.nagano.lg.jp/police/menkyo/etc/kaisei140601.html

一定の病気等に関する質問制度、虚偽記載の場合の罰則を新設
 公安委員会は運転免許を取得しようとする方や免許を更新される方などに対して、病気の症状に関する必要な質問ができるようになります。

一定の病気等に係る質問について
 回答は、申請時に交付する「質問票」で、以下の質問にあてはまるかどうかを「はい」か「いいえ」を選択していただきます。

医師による任意の届出制度の新設
 一定の病気等に該当する免許保有者を診断した医師は、任意で診断結果を公安委員会に届け出ることができるようになります。

免許の効力暫定停止制度の新設
 交通事故を起こし、又は医師の判断で一定の病気等に該当すると疑われる方について、免許の効力を3ヵ月を超えない範囲で停止することができるようになります。一定の病気等に該当しないことが明らかになった場合は処分が解除されます。

一定の病気を理由に免許を取り消された後、3年以内に再取得する際の試験の一部免除制度の新設
 一定の病気に該当することを理由に免許を取り消された場合、免許を取り消された日から3年以内に病状が回復し、免許を再取得することができる状態になった場合には、技能試験及び学科試験が免除されます。

◎認知症の運転、公安委員会届出の指針を発表─関連5学会が方針を示す
 日本神経学会は2014年6月24日、「わが国における運転免許証に係る認知症等の診断の届出ガイドライン」とそのQ&A集を発表した。6月14日に公布された改正道路交通法で、運転免許を持つ認知症患者について、医師が公安委員会に任意で届け出られる制度が新設されたことを受け、対応を示したもの。日本神経治療学会、日本認知症学会、日本老年医学会、日本老年精神医学会と合同で作成した。
 指針では、認知症と診断した患者が自動車運転をしていると分かった場合、まず患者や家族、介護者に自動車運転の中止と免許証の返納を説明し、診療録に記載する。公安委員会への届け出をする際には、事前に患者や家族の同意を得て、写しを渡す。また、家族や介護者から患者の運転を止めさせる相談を受けたら、本人の同意を得るのが難しい場合でも、医師が状況を総合的に勘案し、届け出るかどうかを判断すると定めている。
 Q&A集では、「届け出前の本人や家族の同意は必須か」という質問に対し、「必須ではないが、できるだけ同意を得る」と回答。患者の多くは病識がなく同意を得るのが難しいが、家族や介護者の同意はなるべく得るようにと説明している。

※運転免許証に係る認知症の診断の届出ガイドライン
 http://dementia.umin.jp/GL_2014.pdf
※運転免許証に係る認知症の診断の届出ガイドライン Q&A, 2014.6.1
 http://dementia.umin.jp/GL_QA_140601.pdf

【参考になる資料─3】
2013.8.31公開「ひょっとして認知症?」
《244》注目される自動車運転の問題─悩ましい一人暮らしの運転する患者
 さ~て、ここで悩ましい問題となってくるのは、一人暮らしの認知症患者さんの自動車運転に関わる問題です。例えば、介護に携わるスタッフから以下のような相談を受けたことがあります。
 「80歳代後半の認知症患者さん(要介護認定を受けている)が自損事故を起こし、車は大破し廃車となった。ちょくちょく自損事故を繰り返していたのでこの機会に運転をやめてもらおうと運転免許の自主返納を勧めた。しかし、本人には自主返納をする気はなく、また、自損事故であり『基準行為』に該当するわけでもなく、結局、すぐに新しく車を購入してしまった。家族はおらず、成年後見制度も申請していない。本人に車の運転を断念させるにはどうすればよいでしょうか?」
 おそらく、こうした認知症ドライバーの自損事故は表に数字となって出てこないだけで、実際には随分と多いのだろうと私は思っております。しかもご家族がいない方の場合には、自動車運転の危険性について早い段階で気づくことが困難ですので、自損事故を何度も繰り返して初めて周囲が心配する状況になりますね。
 こういったケースにおいては、医療機関において認知症と診断され治療を受けているのであれば、担当医師からきちんと運転不可であることをご本人に説明してもらうことが肝要となります。
 あるいは、本人の同意が得られれば(「後見」においては同意は不要)、成年後見制度の申し立てをすることも可能です。詳しくはウェブサイト(http://www.seinen-kouken.cc/pages/faq.htm)の質問18をご参照下さいね。

【参考になる資料─4】
2013.9.1公開「ひょっとして認知症?」
《245》注目される自動車運転の問題─「運転は生きがい」の高齢者に与えるべきもの
 「認知症高齢者の自動車運転を考える家族介護者のための支援マニュアル(荒井由美子医師監修)」(http://www.ncgg.go.jp/department/dgp/index-dgp-j.htmよりダウンロード可能)において紹介されているBさんの事例紹介では、医師からの運転中止勧告に対して、「運転は生きがい。運転できないなら死んだ方がいい」と頑なに運転中止を拒否するシーンがあります。
 荒井由美子医師は、「自動車の運転は、単なる移動手段ではなく、『生きがい』であると回答した割合が、高齢者層において、有意に高いことが示された」と述べています(水野洋子、荒井由美子:認知症高齢者の自動車運転を考える家族介護者のための「介護者支援マニュアル」の概要及び社会支援の現況. Geriatric Medicine Vol.50 159-163 2012)。
 どうしても自動車の運転がやめられない認知症の人では、いったん施設に入所することによりうまく解決した事例もあるようです(本間 昭、六角僚子:認知症介護─介護困難症状別ベストケア50 小学館, 東京, 2007, pp60-61)。
 「運転は生きがい」と感じている高齢者の方に対しては、自動車の代わりとなるような移動手段を検討することが重要な課題となりますね。
 国立障害者リハビリテーション研究所福祉機器開発部(http://www.rehab.go.jp/ri/kaihatsu/papero_html/index.html)の井上剛伸氏は、ハンドル形電動三輪車の安定性の問題(転倒事故)に言及し、おそらく、これからの高齢者の自動車に替わる移動手段の第一候補は「パーソナルモビリティー」になるのではないかと述べています(井上剛伸:自動車に替わる移動手段の現状と展望. Geriatric Medicine Vol.50 171-174 2012)。そして、「パーソナルモビリティー」は、自動車の替わりに乗るもので、特に障害のあるなしにかかわらず利用される乗り物であり、その実例としてはトヨタ自動車株式会社が開発を進めているi-REAL(http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/personal_mobility/i-real.html)があると述べています。i-REALはホイールベースが変化し、狭い場所での移動と屋外などでの高速移動に対応可能であり実用化が期待されている状況です。

【参考になる資料─5】
2013.9.2公開「ひょっとして認知症?」
《246》注目される自動車運転の問題─買い物弱者対策も重要です
 「運転能力を向上させるようなトレーニング方法は今のところ存在しない」(飯島 節:認知症患者に自動車運転リハビリテーションは有効でしょうか? Geriatric Medicine Vol.50 183-185 2012)のが現状ですので、やはり、自動車運転中止後に移動・外出を支援する体制作りが最も重要な課題となります。
 その支援する体制作りの根底をなす考え方は、「支え合う」ということではないでしょうか。「支え合い」を実践している自治体の取り組みをご紹介し、本稿を閉じたいと思います。
 経済産業省によれば、「買い物弱者(買い物難民)」は約600万人程度と推計されております。
 「買い物弱者(買い物難民)応援マニュアル(第2版)」(http://www.meti.go.jp/press/2011/05/20110530002/20110530002.pdf)には、買い物弱者問題を解決する4つの新事例が紹介されております。
① 身近な場所に「店を作ろう」
 やまとフレンドリーショップ(山梨県甲府市)
② 家まで「商品を届けよう」
1)まごころ宅急便(岩手県:西和賀町社会福祉協議会)
 社会福祉協議会、地元スーパー、宅配業者の協力により生まれたサービス。
 利用者からの電話注文を社会福祉協議会が受注、地元スーパーに発注し、ヤマト運輸が配達・代引きを行う。
2)宅配スーパー事業(エブリデイ・ドット・コム)
 九州の過疎地で21年に渡り宅配スーパーを直営。プッシュフォンを使って低コストでの注文受付を可能にしている。
③ 家から「出かけやすくしよう」
 デマンドバス(北杜市:東京大学):行政と大学の支援により誕生したバスサービス。バスが乗客の希望する時間・場所に合わせて運行。柔軟なルート設定が可能。

 奈良県の葛城市においては、タブレット端末を利用してネットスーパーに注文する買い物支援の試みも始められていることが報道されましたね(http://apital.asahi.com/article/news/2013062600006.html)。
 私の住む三重県でも幾つかの取り組みが始まっております。
 その代表は、いがまち地区の「お買物無料送迎バス」(http://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/2011120198.htm)です。マックスバリュの経費および三重県の地域支え合い体制づくり事業の補助金もあって実現しているようです。
 「財源」の問題は、極めて大きな課題であると思います。しかし、少子高齢化により今後も買い物弱者(買い物難民)は増加の一途を辿ると思われます。迅速に買い物支援対策に取り組まなければ、認知症高齢者による自動車運転の問題解決は望めないと思われます。

【参考になる資料─6】
 「約8149万人の運転免許保有者のうち、65歳以上は12年末で約1421万人。前年から102万人増えた。ただ、検査で判断力や記憶力が低いと評価されても、『取得した免許は権利であり、すぐに免許の取り消しや停止にはならない』(警察庁幹部)。
 75歳以上で判断力が低いと評価された人は、更新前の1年間か更新後に一時停止などの違反があると医師の診察を受ける必要があり、認知症と診断されれば免許取り消しや停止となる。
 だが診断を経て取り消しや停止となったのは12年で106人。家族らからの相談も含め認知症を理由に取り消しなどになった人は計501人だった。
 各地の警察では今、運転に不安を感じる高齢者らに免許証の自主返納を促すことに力を入れる。返納後に受け取ることができる『運転経歴証明書』が身分証明書として幅広く使えるようになり、全国の自主返納件数は12年、11万7613件と前年の1.6倍に増えた。
 だが、特に地方では、買い物や病院通いなど、車は生活に欠かせない面がある。当事者には深刻な問題だ。免許を失うのを恐れ、かかりつけ医に認知症と診断しないよう懇願するようなケースもあるという。
 『バス運賃を無料にする』(愛知県知立市)など、自主返納者の自立した暮らしを支援する自治体は増えているが、公共バスが自宅に迎えに来てくれるわけではない。サービスはまだ限定的だ。」(読売新聞「認知症」取材班:認知症 明日へのヒント─800万人時代を共に生きる 中央公論新社, 東京, 2014, pp70-71)
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