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賢い医者のかかり方①─診療明細書 [医療情報公開]

賢い医者のかかり方① ─ 「一物一価」でない理由知ろう

 医療機関で払う医療費に「あれっ?」と思ったことはありませんか。支払いの根拠などは、患者にはわかりにくいものです。立ち止まって、整理して考えてみることが、賢い患者への一歩になるかもしれません。
 
金太郎(かねたろう)
 隣のおじさんが高血圧で倒れて病院に運ばれたんだけど、いい薬のおかげで退院できたって。いまの通院も、入院していた病院じゃなくて、近所の診療所でよくなったんだ。
得子(とくこ)
 よかったわね。

 それがいいことばかりじゃないらしいんだ。

 どうして?

 入院した病院に通院していた頃は、1回の診察で払うのは500円でおつりが来た。なのに、近所の診療所だと、2480円も請求されるんだって。診療内容は同じなのに。

 いいところに気づいたわね。医療費って「一物一価」と思われているけど、医療機関の規模などで異なる場合が多いの。
 高血圧のような生活習慣病は、食事や運動といった生活全般を見直す必要があるでしょ。指導にかかる費用を、月1回の診療で「生活習慣病管理料」として検査や其の処方とまとめて定額請求する方式があるの。お隣さんはこれね。診療所だけが使えて、大病院にはこうした上乗せはないの。

 そうなんだ。

 多くの診療所は「高額だと患者が離れる」と、慢性疾患に適用される「特定疾患療養管理料」の上乗せにとどめていると聞くわ。この上乗せはベッド数200床未満の中小病院も使える。検査などは別料金だけれど、こっちの「管理料」なら安いからよ。

 結局、大病院を受診した方が得ってこと?

 そう言うつもりはないわ。「医療の機能分化」ってわかる? 大病院は救急や重症者に専念し、比較的安定した患者は、診療所などが受け持つという考え方。同じ診療行為でも値段に差がつけられているのは、それを促すためよ。
 紹介状なしで大学病院などの特定機能病院や500床以上の地域医療支援病院を受診すると、初診料のほかに最低5千円払うようになったのも同じ理由から。

 聞いた覚えがある。

 私はこう割り切ることにしているの。近所に普段から相談できる、ちゃんとしたかかりつけ医を持てば、いざというとき、必要に応じた大病院につないでもらえる。割高に見える医療費は、そのための「保険」のようなものだと。

 なるほどね。

 取材協力・山口育子さん(ささえあい医療人権センターCOML理事長)
 (構成・鈴木淑子)=全5回
 【2017年2月4日付朝日新聞・知っ得なっ得】

私の感想
 (大半の病院で)診療明細書の無料発行が義務付けられたのは2010年4月です。
 私はこの制度にも猛反発しましたね。
 なぜだか分かりますか?
 明細書には「病名」が書いてあるんですよ。
 しかし、認知症の告知は進んでなかった! なので、「告知されていない本人が読んだらビックリするからもっとじっくり議論して!」って反対してたんです。
 2010年3月10日に中日新聞(http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20100310142018071)が取りあげてくれました際に私は以下のような私見を述べています。
 診療明細書20100310.jpg
 「笠間さんは『明細書発行の義務化を、開かれた医療に結び付けたい』と話している。」
 「診療明細書は受診した際、領収書よりも細かく医療費の内訳が記される。患者が請求ミスを知る端緒にもなりうるが、専門的で一般の患者が判読するのは難しい」から、それを読み解くための解説書を作成して外来窓口に置いたんですね。
 診療明細書解説パンフレットp1.jpg
 診療明細書解説パンフレットp2.jpg  

P.S.
 私が榊原白鳳病院に就職したのは2010.1.16日です(7年が過ぎましたね)。赴任して最初に取り組んだ課題は認知症ではなく、私のもう一つの生涯テーマである「医療情報公開」絡みだったんですよー。
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