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一過性てんかん性健忘(Transient epileptic amnesia;TEA) [一過性てんかん性健忘(Transient epi]

一過性てんかん性健忘(Transient epileptic amnesia;TEA)
ひょっとして認知症.JPG

朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第398回『さまざまな「急速に起きる健忘」─きのうのことは全く覚えていない』(2014年2月7日公開)
 「急速に起きる健忘」の代表疾患が、一過性全健忘(transient global amnesia;TGA)という病気です。比較的よく遭遇する疾患なのですが、意外と知られていない病気です。

 代表的な一例をご紹介しましょう。58歳女性。高血圧症にて通院加療中でした。2008年夏のある暑い日、いつものように外来を定期受診されました。診察を受けて帰られましたが、20分もしないうちに「診察に来ました」と言って戻ってこられました。四肢の麻痺などは無く、普通に会話もできました。念のため、脳出血・脳梗塞も考えて脳の断層撮影(CT)を施行しましたが、やはり何ら異常所見は確認されませんでした。「一過性全健忘だろうと思われますのであまり心配ないと思います」と説明してその日は帰って自宅で様子をみて頂きました。その日は家に帰ってからも、何度も同じ質問を家族に繰り返していたそうです。しかし翌日には、この症状は消失していました。しかしながら昨日のことを尋ねると、本人は「全く覚えていない」と話されました。
 以上は私の自験例の紹介であり、前述のような経過が一過性全健忘の典型的な経過です。

 一過性全健忘(Transient global amnesia;TGA)は、1958年にFisherとAdamsが命名した疾患であり、発生頻度は1年間に人口10万人あたり5人程度です。
 症状は、ある日突然生じる記憶の障害です。2~3分おきに同じことを聞きますし、同じ人に何度も同じ用件で電話を掛けたりします。発作中は新たな記憶の形成ができなくなります。これは前向健忘(メモ1参照)というタイプの記憶障害です。
 また発作前の数日~数週の記憶が消失します。これを逆向健忘(メモ2参照)と呼びます。場合によっては、数年間にさかのぼる逆向健忘を起こします。
 しばしば時間と場所の見当識が障害されます。しかし、人物の識別に関しては通常は障害されず、自分が誰であるかとか、身近な人の名前、自分との関係などは分かっていますので、決して「私は誰?」とは聞きません。
 記憶障害の時間は一般的には数時間以内であり、通常24時間以内に治ってしまいます。健忘は認められるものの、意識障害・運動麻痺などは認められませんので、発作中も車の運転などかなり複雑な行為が可能です。
 逆向健忘は発作後にかなり回復しますが、発作中の記憶はほぼ全部が欠落したままとなり、ほとんど回復しません。
 なお本症の診断に際しては、最近の頭部外傷や活動性てんかんのある患者さんは、診断から除外することになっています。

メモ1:前向(性)健忘:
 記憶障害の原因となった脳損傷が起きた時点以降の記憶が障害されるものです。例えば、記憶障害になった後で行った家族旅行をすっかり忘れてしまっているといった症状です。
 前向性健忘の評価に関しましては、シリーズ第18回『認知症の代表的疾患─アルツハイマー病 アルツハイマー病の症状』のコメント欄においてご紹介しましたように、ミニメンタルステート検査(MMSE)と改訂長谷川式認知症スクリーニングテスト(HDS-R)のなかの遅延再生課題が有用です。

メモ2:逆向(性)健忘(逆行性健忘):
 記憶障害の原因となった脳損傷が起きた時点から、それ以前にさかのぼる記憶が障害されるものです。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第399回『さまざまな「急速に起きる健忘」─なぜ起きる「一過全性健忘」』(2014年2月8日公開)
 海馬の虚血などが一過性全健忘(Transient global amnesia;TGA)の原因説として指摘されていますが、明確な原因は未だに不明です。脳血流検査の一つSPECT(スペクト)検査において、発作中には、海馬・帯状回など記憶に関連する部位での血流低下が認められたという報告もあります。
 大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室の數井裕光講師は、TGAが起きる誘因に関して以下のように言及しております(數井裕光:瞬間人. こころの科学 通巻138号 22-28 2008)。
 「発作の数日~数週間前から精神的あるいは身体的に疲労した状態にあった人に、何らかの刺激が加わった直後に生じることが多い。刺激としては、ランニング、体操などの身体的な活動、性交、重要な会議、突然の配偶者の死への直面などの情動的な刺激、冷水との接触や水泳、急性の疼痛(腹痛、抜歯)などの感覚的な刺激などが報告されている。」
 上述の論文の中で數井裕光講師は、逆向健忘が古い出来事から徐々に回復していく様子を刻銘に報告しています。また、手続き記憶に関しても言及しており、「手続き記憶に関連する脳部位としては、基底核や小脳が重要であると考えられている。TGA、アルツハイマー病ではこの領域の障害は認めにくいので、両疾患では手続き記憶は保たれる。すなわち、TGAの発作中でも、発作前に習熟した車の運転、自転車の組み立て、ダンス、オルガンの演奏を行え、新たな手続き記憶も獲得できる。」と述べています。
 TGAは再発することはほとんどなく(再発率は4%弱)、また再発はすぐには起こらず、最初の発作から数年経ってから起こることが多いとされています。TGAと診断されましたら、基本的には継続的な治療の必要はありません。
 なお余談にはなりますが、今でこそ側頭葉の内側部(メモ3参照)が記憶障害と深い関係にあることは周知の事実となっております。しかしながら、1957年に発表されたH.M.(メモ4参照)の報告(Scoville WB, Milner B:Loss of recent memory after bilateral hippocampal lesions. J Neurol Neurosurg Psychiatry Vol.20 11-21 1957)以前は、記憶は脳に局在を持つとは考えられていなかったのです。

メモ3:側頭葉内側部
 内側側頭葉は、大きく分けて海馬(hippocampus)と海馬傍回の2つの領域があります。さらに海馬傍回は内嗅皮質(嗅内野皮質)や周嗅皮質を含む前方の海馬傍回と、後方の海馬傍回である海馬傍皮質とに分けられます。

メモ4:H.M.
 H.M.については、「ひょっとして認知症? Part1─記憶のメカニズム(第26回)」などにおいて詳しくお話しましたね。
 論文においてもH.M.に関する詳細が報告されておりますので、以下に抜粋してご紹介しましょう。
 「H.M.は10歳の時に小発作を初発した。16歳の誕生日、町へドライブに出かける途中で大発作を生じ、以後発作がたびたび起こるようになり、高校で中退し、入りなおした高校も卒業が遅れた。仕事も軽作業を転々とし、27歳のとき組立工をしていたが、中毒域の抗てんかん薬の内服でも大発作が頻繁となり、辞めざるをえなかった。何か治療法がないかとHartford病院のScovilleに紹介された。Scovilleは、精神疾患に施行していた側頭葉内側部の切除がてんかんにも有効かもしれないと、同僚の反対を押し切って、両側側頭極から8cmの範囲を吸引し取り除いた。そしてH.M.の重篤な前向性健忘が明らかとなった。」(海野聡子:症例H.M. 神経内科 Vol.78 433-440 2013)
 なお、前向性健忘だけではなく、部分的な逆向性健忘も呈しました。そして、Scovilleの報告では側頭極から8cmとなっているものの、MRIを用いて切除範囲を検討したところ、側頭極から5.1~5.4cmであり、側頭極、扁桃体、嗅内皮質のほとんどと、海馬の前方が切除されていたそうです。
 H.M.は、記憶以外の認知機能、知能や言語にはほとんど問題がなく、特筆すべきは、運動技術学習(motor skill learning)が保持されていたことでした。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第400回『さまざまな「急速に起きる健忘」─てんかん発作で起きる一過性の健忘』(2014年2月9日公開)
 一過性全健忘(Transient global amnesia;TGA)と非常によく似た症状を示すものに、一過性てんかん性健忘(Transient epileptic amnesia;TEA)があります。TEAは発作性の健忘を主症状とするてんかん発作です。
 国際医療福祉大学病院神経内科・難病部長の橋本律夫医師は、TEAの特徴として以下の8項目を指摘しています(橋本律夫:健忘症候群を呈するてんかん. 神経内科 Vol.72 245-251 2010)
1 中年から高齢者に発症し、男女比は約2:1で男性に多い
2 健忘発作は前向(性)健忘と逆向(性)健忘が併存していることが特徴で、患者はときに同じ質問を繰り返す
3 前向(性)健忘はしばしば不完全で、患者自ら「憶えることができなかったことを憶えている」と訴える
4 発作は一般に日中の覚醒時に起こる
5 幻臭、自動症、短時間無反応の状態が健忘発作に伴って、あるいは単独でみられることがある
6 健忘発作の持続時間は1時間以内のことが多いが、ときにそれよりも長い
7 比較的少量の抗てんかん薬によく反応する
8 発作間歇期にも多くの患者では健忘を訴える

 なお橋本律夫医師はTEAとTGAの鑑別に関しても言及しており、「TGAは発作を繰り返すことはほとんどなく、1回の発作時間がTEAに比べて長いという特徴がある。しかし、TGAの発症年齢はTEAのそれとほぼ同じであり、TEA初回発作でその発作時間が長く脳表脳波で異常が検出されなかった場合、鑑別はときに困難である」と述べています。

 てんかんに関する記載は相当古くからみられており、古代ギリシャの医師であるヒポクラテスは「神聖病」として記述しているそうです。
 てんかん発作による記憶障害は、①一過性てんかん性健忘(Transient epileptic amnesia;TEA)、②長期的な前向性健忘、③限局性焦点性逆向性健忘に分類されています。一過性てんかん性健忘は、短時間から数日にわたる健忘が主症状で、明らかな意識障害は伴わずに記憶が抜け落ちます(杉本あずさ、河村 満 他:てんかんと認知症. BRAIN and NERVE Vol.64 1399-1404 2012)。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第401回『さまざまな「急速に起きる健忘」─隠れ脳梗塞について』(2014年2月10日公開)
 一過性てんかん性健忘は非常に特殊な疾患であると私自身は考えておりました。しかし2012年1月18日のNHK「ためしてガッテン」において、「まさかっ!! もの忘れに効く薬があったなんて 認知症診断の落とし穴 発想の転換で劇的回復」という過激なタイトルで放送されましたのでついつい食い入って観てしまいました。
 番組で放送された内容(http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20120118.html)を少しご紹介しましょう。
 番組においては、高齢発症のてんかんの要因の一つとして「無症候性脳梗塞」(俗称:隠れ脳梗塞)が挙げられることが指摘されました。
 無症候性脳梗塞について説明しておきましょう。
 脳深部の直径1.5cm以下の小さな脳梗塞は「ラクナ梗塞」と呼ばれます。ラクナ梗塞は一般的には症状は出にくいのですが、詰まった場所が悪ければ症状が出ますので「無症候」ではなくなります。
 ラクナ梗塞に関しては、「ひょっとして認知症? Part1─■100歳の美しい脳(その4) 脳の深い場所にある病変は実は多い(第523回)」において、「『アルツハイマーの脳』と診断されたシスターのうち、シスター・アグネスのように白質や視床などに最低ひとつのラクナ梗塞がある人は、93%の割合でdementia(痴呆)になっていた。『アルツハイマー脳』でありながら、梗塞のまったくなかった人は、57%しかdementiaになっていない。」という極めて興味深いデータをご紹介しましたので記憶に残っておられる方もおられるのではないでしょうか。国立循環器病研究センター脳神経内科の猪原匡史医師はこの研究結果を、「大脳基底核・視床・深部白質のラクナ梗塞があると、アルツハイマー病の顕性化率が20倍になるという報告(修道女を対象としたNun研究)がある(Snowdon DA, Greiner LH, Mortimer JA et al:Brain infarction and the clinical expression of Alzheimer disease. The Nun Study. JAMA Vol.277 813-817 1997)」(猪原匡史:認知症の診断と治療を目指した小血管病の管理. BRAIN and NERVE Vol.65 801-809 2013)と紹介しております。
 脳の「サイレントエリア」に起きた脳梗塞であれば、脳梗塞を発症しても症状が出ませんので、「無症候性脳梗塞」(俗称:隠れ脳梗塞)と呼ばれます。
 ラクナ梗塞と無症候性脳梗塞の関係はちょっと複雑です。古典的には無症候性ラクナ梗塞はラクナ梗塞に含まれません。このことはウィキペディアにおいても解説されております(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E6%A2%97%E5%A1%9E)ので、詳しく知りたい方はウィキペディアの「ラクナ梗塞」についての記載をお読み下さい。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第402回『さまざまな「急速に起きる健忘」─ 一過性てんかん性健忘にも種類』(2014年2月11日公開)
 脳ドックなどを受けますと、無症候性脳梗塞が見つかるケースは多々あります。
 無症候性脳梗塞は、欧米では潜在性脳梗塞(silent cerebral infarction;SCI)と呼ばれており、韓国での報告では、40代2.4%、50代6.6%、60代14.7%、70代25%にSCIが認められたことが報告されております。なお、脳ドックを受診した健常成人(平均60歳)における無症候性脳梗塞の頻度は、60歳代から急激に増加し、70歳代以降では35%にも達するものの全体の頻度は約14%で、久山町の剖検による頻度12.9%とほぼ一致していることも報告されております(斎藤 勇:無症候性脳血管障害. 日本医師会雑誌・生涯教育シリーズ56─脳血管障害の臨床 S203-213 2001)。
 したがって70歳以上の方がCT・MRI検査を受けますと、およそ3人に1人の割合で「あなたは脳梗塞があります」と医師より告げられることになるわけですね。
 「無症候性脳梗塞」に関してもう少し詳しい情報を知りたい方は、大阪医療センターのウェブサイト(http://www.onh.go.jp/seisaku/circulation/kakusyu115.html)などご参照下さい。
 しかしながらここで注意しておくべきことがあります。隠れ脳梗塞による一過性てんかん性健忘かも…と思っていたら、そうではない場合もあるということです。2012年4月21日に開催されたアルツハイマー病研究会第13回学術シンポジウムにおいて、東京都健康長寿医療センター放射線診断科の徳丸阿耶部長は、「治りにくいてんかん性健忘として、海馬硬化症(メモ5参照)の存在を忘れてはならない」ことを指摘しました。

メモ5:海馬硬化性認知症(hippocampal sclerosis dementia;HSD)
 海馬硬化症は、てんかん・認知症などとの関連が示唆されている疾患です。高齢初発のてんかん患者さんを診察したときには、海馬硬化症も念頭におく必要があります。
 病変が海馬に限局しているときには、症状は記憶障害だけです。しかし病変が拡がってくると、その症状はアルツハイマー病と類似した症状を呈してきます。
 軽度認知障害、認知症疑いでMRIを施行した3,500例のうち、2%程度で「海馬硬化症」が確認されるそうです。海馬硬化症においては、MRI上は海馬の萎縮所見が目立つため、安易にアルツハイマー病と誤診される可能性があり注意が喚起されております(村山繁雄:認知症におけるMRI診断の可能性. 医学のあゆみ Vol.235 No.6 619-626 2010)。
 海馬は、低酸素や虚血に対して特に脆弱な部位です。心不全・呼吸不全などの内科疾患が重篤化した場合や、麻酔・手術などの際に脳が低酸素状態にさらされた場合に、海馬の神経細胞が脱落し海馬硬化症が生じうるのではないかと考えられています。
 海馬硬化症の画像診断の特徴として、両側ないしは片側の海馬の萎縮と、MRIでのT2強調画像やFLAIR画像でのシグナル上昇が指摘されています。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第403回『さまざまな「急速に起きる健忘」─高齢者のてんかんを見逃してはいけない』(2014年2月12日公開)
 日本神経治療学会では、65歳以上で発症するてんかん(高齢発症てんかん)の有病率を1~2%と推定しております。
 産業医大神経内科の赤松直樹准教授らの調査によると、高齢発症てんかんの病因としては、「病因・病変なし」が半数の50.0%であり、病因が明らかなものでは、脳血管障害が16.3%と最も多かったそうです。認知症は8.8%を占めていたそうです。
 高齢発症てんかんの発作型は、痙攣を生じる二次性全般化発作が45.0%と最も多く、次いで、痙攣を生じない複雑部分発作が43.8%を占めた そうです。
 複雑部分発作の典型的な症状は、1~2分間、目を開けたままぼ─っとしているといった症状であり、本人はこの発作中のことを覚えていないものの、意識が完全に消失しないため倒れることはありません。複雑部分発作では、口をもぐもぐさせたり、手をもぞもぞ動かす自動症が認められることもあります。
 東京医科歯科大生命機能情報解析学の松浦雅人教授は、高齢発症てんかんは薬物療法が効きやすく、カルバマゼピンを少量(例えば、入眠前に成人用量の3分の1に当たる200mg)投与すれば、約9割の患者で発作がコントロールできると指摘しております(第542号2013年1月号日経メディカル・トレンドビュー 高齢者てんかんを見逃すな 22-23)。
 関東労災病院神経内科部長の玉川聡医師は、「著者は、アルツハイマー型認知症として治療されていたが、入浴中の溺水を契機に意識減損発作が疑われ、側頭葉てんかんの診断に至った症例を経験している。妻から詳細な情報を聞くと、以前より口をクチャクチャいわせたり、枕をずっと回し続けたりといった症状を発作性に生じていたことが確認できた。」と報告しております(玉川 聡:認知症に潜むてんかん. Modern Physician Vol.33 110 2013)。

 2012年1月18日のNHK「ためしてガッテン」の放送日、私が夕方診療をした急患(50歳代・男性)は、偶然にも「ラクナ梗塞」の患者さんでした。
 お話をお伺いすると、以下のような経過でした。
 「一昨日の夜深酒をした。昨日の朝起きたら、呂律が回らなかった。その日の訪れた友達に『お前、呂律回ってないよ』と言われたが、そのうち治るだろうと思って様子を見ていた。今日になっても呂律が回らないので来院しました。」
 握力を測定してみると、右が36kg、左が35kgでした。ご本人に利き手を確認すると、左利きであり元々の左握力は50kgを超えていたことが確認され、また歩行に際しては、左足がもつれる様子が観察されました。構音障害と左半身の片麻痺が認められましたので、早速、脳の断層撮影(Magnetic Resonance Imaging;MRI)を実施しました。
 結果は、右橋部のラクナ梗塞でした。橋梗塞といえば脳幹梗塞の一つでありかなり重篤な病状となるケースもしばしばです。そこで、点滴治療のため緊急入院して頂きました。歩行障害は比較的短期間で軽快し退院することができました。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第404回『さまざまな「急速に起きる健忘」─若い人の脳梗塞の場合に』(2014年2月13日公開)
 比較的若年の方が、脳梗塞を発症した場合には、特殊な原因も念頭に置く必要があります。例えば、CADASIL (cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy)などです。
 CADASILは、遺伝性の脳小血管病です。長岡赤十字病院神経内科の今野卓哉医師が論文(今野卓哉、小野寺 理:遺伝性脳小血管病. 医学のあゆみ Vol.235 745-748 2010)において、その特徴を以下のように解説しております。
 「20歳前後から前兆を伴う片頭痛発作が出現し、無症候性に白質病変が出現・拡大し、40歳前後で脳梗塞発作を起こす。白質病変の進行と脳梗塞を繰り返すことで運動機能の低下と認知症をきたし、60~70歳前後で死の転帰をとる。認知機能は、注意障害や遂行機能、語の流暢性が障害されやすい。MRIではT2強調画像で、両側大脳白質に斑状で融合傾向のある高信号病変を認める。」
 60歳までに7割が注意障害や遂行機能障害、記銘力障害を主体とする認知機能障害を呈する(他田正義、今野卓哉 他:遺伝性脳小血管病とHDLS. 神経内科 Vol.78 388-395 2013)そうです。片頭痛を既往歴に持つ患者さんのMRI検査において、白質病変が顕著に目立つ場合には、CADASILも念頭に置く必要があるということになりますね。
 また、亀田メディカルセンター神経内科の福武敏夫部長は、「CADASILのもっとも早期の症状は前兆を伴う片頭痛である。一般人口の4倍くらい多いが、家系や人種で異なり、有症状患者の20~30%にみられるに過ぎない。片頭痛の平均発症年齢は28~30歳であり、脳梗塞発症後に消失する。」(福武敏夫:遺伝性細小動脈症性脳症(CADASILとCARASIL)の身体症状と認知症状. Modern Physician Vol.33 82-85 2013)と指摘しております。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第405回『さまざまな「急速に起きる健忘」─てんかんは早い段階で診断を』(2014年2月14日公開)
 2012年1月18日放送のNHK「ためしてガッテン」(http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20120118.html)においては、脳梗塞によって脳の血流が滞り次第に「てんかん」が引き起こされやすくなる機序(燃え上がり現象)に関しても放送の中で説明がありました。
 むさしの国分寺クリニックの大沼悌一院長は、「早い段階できちんとてんかんの診断を受け然るべき治療を受けないと、発作症状がだんだん悪くなって取り返しがつかないというふうになる可能性がある。そういう恐れがあります。」と指摘しました。クリニックのホームページ(http://www.mkclinic.sakura.ne.jp/)には、「中高年の物忘れとてんかん」(http://www.mkclinic.sakura.ne.jp/monowasure.html)というコーナーもありますのでご参照下さい。
 そして「だんだん悪くなる」根拠として番組では、ラットの実験が紹介されました。「1日1回、ラットの脳に微弱な電流を流す程度では、けいれんは起きません。しかしこれを2週間続けたところ、けいれんが起きるようになった。」というもので、この現象は「燃え上がり現象」と呼ばれており、小さな発作がより大きな発作を引き起こすてんかん特有の現象であると番組内で紹介されました。
 そして番組では、「一過性てんかん性健忘」の事例が紹介されました。70歳代の男性患者さんです。奥様とともに実名で番組に出演されておりました。
 発症したのは5年前です。意識や記憶の障害が起こるようになりました。本人は発作中の出来事ですので、記憶が抜けていることに対する自覚がありません。
 実施された脳波検査では、「異常なし」と診断されます。しかしその後、奥様がつけていた詳細な症状の記録が契機となり、ようやく正しい診断が下されることになりました。
 いくつかの病院を経て辿り着いたのは、国立精神・神経医療研究センター病院精神科の渡辺雅子医長の外来でした。奥様の記録から、てんかん発作が夜に多いのではないかと気づいた渡辺雅子医師は、入院による「長時間ビデオ脳波検査」(メモ6参照)を実施しました。
 この検査により診断が確定し、抗てんかん薬による本格的な治療が始まりました。それから2カ月後、てんかん発作は消失しました。
 渡辺雅子医師は、「今後、高齢発症のてんかんは増加していくと思われる」と指摘します。また、「てんかんは、薬で約8割は発作をほぼコントロールできる」ため、てんかん症状の見分け方を正しく理解することが大切であると言及しました。
 渡辺雅子医師が指摘した「てんかん症状の見分け方」を以下に列記しましょう。
1 時間単位で、良い時と悪い時(何となくぼんやりしている)が出現する
2 記憶がまだら状に抜ける
3 短時間(3~5分程度)意識がとぎれる(返事をしなくなる)
4 身振り自動症(意識がなくなっている間に、自分の衣服をまさぐるなどの動作を無意識に行う)
 この他にも、一過性てんかん性健忘(Transient epileptic amnesia;TEA)の特徴として、中年・高齢者に多い(平均62歳)、起床時に起こりやすい(74%)、通常の記銘力検査は正常でも過去3週間にわたる記憶は有意に低下しているといった傾向がみられることも報告されております。なお脳波検査においては、てんかん性放電は37%において認められるものの、31%は正常であったことも指摘されており、頭蓋骨によって電位が1/7~1/10に減衰することもその一因となっております(編集/朝田 隆 著/池田昭夫、木下真幸子:誤診症例から学ぶ─認知症とその他の疾患の鑑別 医学書院, 東京, 2013, pp112-113)。
 すなわち、通常の脳波検査だけでは診断が確定しないケースも随分と多いわけですね。

メモ6:ビデオ脳波同時記録
 脳波にてんかん性異常波が検出されても、それが臨床発作症状を説明し得るものでなければならない。発作および症候群が不明の場合、ビデオ脳波同時記録が参考になる(てんかん診断ガイドライン. てんかん研究 Vol.26 110-113 2008)。
 「てんかんの診断ガイドライン」はウェブサイト上(http://square.umin.ac.jp/jes/pdf/guideline0704.pdf)においても閲覧可能です。


Facebookコメント
ドキドキ感のない2月14日
 今日は特別な2月14日になりそうです。
 そう、遂に私にも「チョコ0」の日がやってきます。
 何故かって? 
ヒント
 義理だけじゃ…って時代になってきたのかな。
 かつて20代の絶頂期には70を超えるチョコをもらったこともあるのに…。
 認知症の人が抱える「喪失感」と共通の寂しさがそこにはあるような…。
正解
 実は、今年から職場が「義理禁止!」となったのです。
 一人くらい「本命」があっても良かったのに…。
 家に帰ってからの「義理」に期待します。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第406回『さまざまな「急速に起きる健忘」─79歳が起こした交通死亡事故が「不起訴」の理由』(2014年2月15日公開)
 「一過性てんかん性健忘」の発作中は、患者さんは一見すると正常な行動をしているように見えます。しかし、後になってある一定期間の記憶が抜け落ちていることに気づきます。脳波では側頭部に異常波を認めることがあります(伊藤ますみ:誤診されやすい高齢発症てんかん. 2012年3月10日発行日本医事新報No.4585 48-49)。
 物忘れが目立ってこられた方で、もしも上記に該当するような症状がありましたら、認知症ではなく「ひょっとして一過性てんかん性健忘かも?」と疑って脳波検査の可能な医療機関を受診することが正確な診断に結びつくわけです。
 東京都立神経病院脳神経外科の森野道晴部長は、「高齢者てんかんの原因は若年者と異なり、脳血管障害(30~40%)、次いで頭部外傷、アルツハイマー病、脳腫瘍などが挙げられるが、全体の1/3は原因が不明である。高齢者のてんかんでは非けいれん発作が多いため、診断が困難である。」と指摘しています(2012年2月18日発行日本医事新報No.4582 55-56)。
 2012年2月27日付中日新聞においては、この「一過性てんかん性健忘」に関わるニュースが1面トップ記事として報道されました。
 79歳男性の起こした交通死亡事故の原因が、捜査の過程で初めて「てんかん」と診断されたため、持病としての自覚がなく、発作の予見は困難で刑事責任は問えないと判断し、名古屋地検一宮支部は「不起訴」としました。
 記事のサブタイトルは、「高齢者、物忘れと勘違い」となっています。すなわち、「高齢者のてんかんの場合、数秒だけ意識を失って動作が止まる症状が目立ち、発作を記憶していない場合も多く、居眠りや物忘れと勘違いし、家族も気付きにくい。」と記事では解説されておりました。
 静岡てんかん・神経医療センターの井上有史院長(臨床てんかん学)も、「高齢者の症状は注意深く観察しないと発見が難しい」と指摘しております。
 なお、日本てんかん協会には、「相談専用ダイヤル」(TEL:03-3232-3811)もあり、病気のことや経済的な悩み、生活上の問題など、また福祉制度に関する手続きを含めて、てんかんに理解のある相談員が電話相談に応じております。平日の月曜・水曜・金曜の13:15~17:00が受付時間です(http://www.jea-net.jp/jea/jigyou_soudan.html)。

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 2014年1月号の「神経内科」雑誌は「症候性dementia」を特集しています。
 HIV脳症に関する論文の中で、とある感染症拠点病院における「感染経路」の%が報告されておりますので、抜粋して以下にご紹介しましょう(改変しております)。
 「約17年間のHIV感染者は1,263名で、そのうちAIDSは392名(31%)であった。男性1,140名、女性123名で、感染経路は男性同性間接触826名、異性間性的接触288名、輸血・凝固因子製剤30名、母子感染1名、不明118名である。」【○○ ○郎:HIV脳症(AIDS dementia complex)のdementia. 神経内科 Vol.80 77-84 2014】

 異性間性的接触も288名(288/1263=22.8%)と決して少なくないことが分かりますね。この数字を見て私は、「異性間性的接触」の内訳を示してほしいと感じました。すなわち、男性→女性の頻度(○○/288)、女性→男性の頻度(○/288)という内訳ですね。
 何故かと言いますと、「異性間性的接触でのHIV感染では男性が女性から感染する確率は、女性が男性から感染する確率の約10分の1」(http://homepage2.nifty.com/iwamuro/hivtoukei.html)であることが知られているにも関わらず、現実には平成17年4月25日のエイズ動向委員会委員長コメント(http://idsc.nih.go.jp/iasr/26/303/kj3033.html)でも指摘されておりますように「異性間性的接触によるものが49件(うち男性32件、女性17件)」という理屈に合わない結果となっているからです。
 その理由については上記報告の中でも「一人の女性から複数の男性が感染しているのか?」と考察されておりますが果たしてそれだけの理由なのでしょうか? 私は専門外でよく分かりませんが…。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第407回『さまざまな「急速に起きる健忘」─アルツハイマー病とけいれん発作』(2014年2月16日公開)
 アルツハイマー病においては、病状の進行につれてけいれん発作が出現しやすくなります。
 「アルツハイマー病:神経症状の合併は3%/年ずつ増加し、発語や表情障害(4%/年)、固縮(2.5%/年)、姿勢歩行障害(3.9%/年)、無動(3.8%/年)も毎年増加したが、振戦の増加はまれ(4~7%/2年)で、経過が進むとミオクローヌス(メモ7参照)や約10%にけいれんがみられる。」(東海林幹夫:アルツハイマー病の身体症状と認知症状─症候と検査所見のポイント. Modern Physician Vol.33 78-81 2013)
 大規模研究(Scarneas N, Honig LS, Choi H et al:Seizures in Alzheimer disease: Who, when, and how common? Arch Neurol Vol.66 992-997 2009)においては、アルツハイマー病の平均3.7年の経過中発作が生じたのは1.5%のみであった(シリーズ総編集/辻 省次 専門編集/河村 満 著/伊藤ますみ:アクチュアル脳・神経疾患の臨床─認知症・神経心理学的アプローチ 中山書店, 東京, 2012, pp309-312)ことも指摘されております。
 しかしながら、アルツハイマー病におけるけいれん発作は進行期だけではなく病初期においても認められるとする報告もあります。
 国立病院機構宇多野病院神経内科(関西てんかんセンター)の木下真幸子医師は、「アルツハイマー病において、ミオクローヌスやけいれん発作が出現するのは進行期になってからであるとされてきたが、病初期~中期においてもー般人口と比較しててんかん発作の合併率は高いとの報告(Irizarry MC et al:Incidence of new-onset seizures in mild to moderate Alzheimer disease. Arch Neurol Vol.69 368-372 2012)がある。」(木下真幸子:てんかんと認知症はどう鑑別すればよいでしょうか? 治療 Vol.94 1745-1747 2012)と指摘しております。

メモ7:ミオクローヌス
 筋肉が、急に激しくぴくつくもので、音や光などで誘発されることもあります。健常な人でも眠りかけた時などには、「ビクッ」とするミオクローヌスは時折あります。
 弧発性クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt Jakob disease;CJD)では、発症後数か月以内にほとんどのケースでミオクローヌスが認められます。ただし、アルツハイマー病やレビー小体型認知症においてもミオクローヌスが認められることがあります。


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第408回『さまざまな「急速に起きる健忘」─特殊だけど「全生活史健忘」がある』(2014年2月17日公開)
 非常に特殊な健忘症に、「全生活史健忘」という病態があります。社会的な出来事に関する記憶が保たれているのに自己の生活史の記憶を失っている状態です。精神科疾患としての全生活史健忘は、非適応的性格や心理的葛藤、抑うつ状態を背景に出現し、全生活史健忘が防衛機制として機能するようです。一方、全生活史健忘が器質的脳疾患によっても出現することが稀にあり、軽微な頭部外傷後に発症するケースがあるようです(吉村菜穂子、大槻美佳:頭部外傷後の全生活史健忘. 脳神経 Vol.51 55-57 1999)。
 いずみの杜診療所(http://www.izuminomori.jp/area/izumi/izumi_cl.html)の山崎英樹医師は著書において、「さっきのことは思いだせても、昔のことが一定期間をさかのぼって思いだせないという純粋逆向健忘が、2~3年から10年以上にわたることがあり、全生活史をおおうときは全生活史健忘といいます。数年の純粋逆向健忘は単純ヘルペス脳炎や外傷後の内側側頭葉病変から生じることがあり、全生活史健忘には心因性と思われるものもあります。」と述べています(山崎英樹:認知症ケアの知好楽 雲母書房, 東京, 2011, p88)。
 全生活史健忘は、一定の期間を経てある程度は自然に回復する傾向が認められます。
 京都大学大学院人間・環境学研究科の大東祥孝教授は、全生活史健忘の発症・回復の過程に関して、実例(25歳・男性)も提示して詳しく報告しております(大東祥孝:記憶と意識─全生活史健忘. こころの科学 通巻138号 64-70 2008)。
 「全生活史健忘の典型例では、発症は、倒れて意識を失い、まもなく意識を回復した時点で、はたと自分が誰であるかわからない、ということに気づくことで始まる。時にこうした状態が長期に続く場合もあるが、多くは、数カ月以内にもとに戻る。…(中略)…回復時の過程は、短時間(数時間以内)のうちに急激に戻る場合もあれば、眠って覚醒するごとに徐々に回復してゆくこともある。急激に回復する場合でも、何か想い出しそうな予感が続いて、深く眠ったあとに、大きな変化に気づくことが多く、また、夢のなかで、いわば先取りして『想起できない過去』のシーンが現れることもある。」


朝日新聞アピタル「ひょっとして認知症-PartⅡ」第409回『さまざまな「急速に起きる健忘」─ピアノマンは「全生活史健忘」だったのか?』(2014年2月18日公開)
 全生活史健忘においては、自己アイデンティティの喪失(メモ8参照)を来します。自伝的記憶(自身の体験に関するエピソード記憶)の取り出しには、右半球側頭葉前部から前頭葉眼窩部におよぶ領域が深く関わっていることが示唆されています。
 皆さん、「ピアノマン」の報道は記憶に新しいのではないでしょうか。2005年4月にイギリスの海岸で、びしょ濡れの黒いスーツとネクタイ姿の若い男性が彷徨っており保護されましたね。ひと言も話さないため、病院職員が紙と鉛筆を渡すと、グランドピアノの絵を描き、ピアノの前に連れて行くと「白鳥の湖」などを巧みに演奏したという報道です。診断名は明らかにされていませんが、「ピアノマン」は全生活史健忘だったのではなかろうかと私は推測しております。

メモ8:自己アイデンティティの喪失
 「心理的要因の大きな健忘は解離性健忘(dissociative amnesia)である。解離性障害とは、記憶、意識、人格の連続性に障害が生じ、記憶や意識の欠損、人格の交代などの症状を呈する疾患である。健忘が主症状の場合には解離性健忘と診断される。解離性健忘は、全般型解離性健忘と局在型解離性健忘に大きく分けることができる。
 全般型では、過去の記憶を広範囲にわたって想起できなくなる。健忘が人生のすべての記憶に及んだ場合は、全生活史健忘と呼ばれる。全生活史健忘では、自分がだれであるか、出身地、家族構成、学歴や職歴など、履歴書に記入するような情報を想起できない。この症状を自己アイデンティティの喪失という。全生活史健忘で場所の移動を伴う場合には、とん走(fugue)を伴うと診断される。とん走を伴う患者は、何の関係もない遠方の土地をぼんやりと徘徊して挙動不審のために、ときには、自殺企図や自殺未遂のために、警察に保護されることがある。名前が言えないために、医療機関に搬送され、脳器質的疾患を否定された上で精神科診察室に登場する。自己アイデンティティの喪失を伴う解離性健忘患者が、別の土地で別の名前で、自分がだれであるのかわからないまま、別の人生を歩んでいたという症例報告もなされている。
 全生活史健忘では、器質性の健忘症候群のように、記憶の欠損を作話で補うことはせず、『わからない』を連発する。前向性健忘の検査では、成績低下を認めたとしても軽度である。」(吉益晴夫:記憶. 精神科 Vol.23 147-151 2013)
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